インターネットを使用した新しいビジネスの企画・開発・運営を行う株式会社バンクは、2017年6月29日(木)スマホで撮影した洋服やガジェットを即座に換金できる質屋アプリ「CASH」(キャッシュ)の査定機能の一時停止を発表した。サービス開始から16時間で3億6000万円分以上の利用があり、同社の処理能力を超えたとし、「初日にここまで多く利用されるとは夢にも思っていなかった」と記した謝罪文を公開している。
「CASH」とは
- スマホで撮影した洋服やガジェットを即座に換金できる質屋アプリ。
- 撮影された写真から査定を行い、査定額がすぐに提示され、お金もすぐに受け取り可能。
- 利用者は2か月以内に返金するか、質に入れたモノを手放すかを選択することができる。
『CASH(キャッシュ)』はスマホで撮影したブランド品の洋服やスマートフォン等のガジェットを換金できる質屋アプリ。「質屋」というのがポイントで、まずは質に入れるものをスマホで撮影。撮影された写真から査定を行い、瞬間的にキャッシュ(現金)に変えることができる。アプリを立ち上げて保有するアイテムをキャッシュに変えるまでに要する時間は数秒で、面倒な審査や手続きなども不要。 誰でも簡単に、いつでも、どこでも、自分が保有するアイテムを瞬間的にキャッシュに変えることができる。
それに対して利用者は、2か月以内にキャッシュを返すor返さない(質に入れたアイテムを送る)、いずれかの対応が可能になる。キャッシュを返す場合、一時的にお金を借りる形となるが、その場合は15%の手数料が取られる。キャッシュを返さない(質に入れたアイテムを送る)場合、買い取りと同じになる。
瞬時に換金できるユニークなサービスとして瞬く間に話題となり、なんとサービスを開始した6月28日には7000件を超える査定と3.5億円の現金化の申し込みがあった。
開始初日で一時的な査定停止を決定
ところが、サービス開始から16時間で3億6000万円分以上の利用があり、同社の処理能力を超えたとし、ユーザーへの影響を考慮した結果、開始初日での一時的な査定停止を決定した。16時間34分内でのCASHの動きの内訳は以下のようになっている。
“16時間34分”で想定ダウンロード数が “29,241DL”
アイテムがキャッシュ化された回数 “72,796回”
アイテムがキャッシュ化された総額 “366,293,200円”
1アイテムあたりの平均キャッシュ “5,031円”
「キャッシュを返さない」と選択されたアイテム数 “7,512個”
どれをとっても驚異的な数字がさらに話題を呼んでいる。査定停止の主な原因は、社員数4人ほどという運営体制と想定以上の利用者数であると発表されている。
CASHの今後に注目が集まる
なお、同社代表の光本氏は28日時点において、自身のTwitterでオフィスに届くアイテムの管理を担う従業員を日給1万円で募集している。
資本金600万円、従業員4人ほどの企業が、今後、7000件超、約3.5億円の支払いに対応することは本当に可能なのか?
企業側のリスクが非常に高いこのビジネスモデルは、現在、各方面から多くの注目を浴びている。従来の店舗の質屋には目利きと呼ばれる人がいて、品物を厳格に査定していたがCASHの審査はごく簡単な形式的なものだ。これに対し、買取物品のブランド名と品物の種類、写真のみの入力でスピーディに査定金額が知れるサービスの新しさと、これまで質屋を利用していなかった新たなユーザー開拓など賛同意見がある一方で、質屋として品物のクオリティの担保が出来ないというリスクを懸念する意見が議論を呼んでいる。キャッシュを返さないと選択されたアイテム数は現在7,512個。この品物をどのように対応していくかにCASHのサービスの質が問われている。
とはいえ、新ビジネスとして多くの人が注目したのは事実。キャッシュのサービス再開後の動きを今後も追っていきたい。
CASH公式ページ https://cash.jp/